採卵ができない|枚方市樟葉 はやし鍼灸整骨院
不妊治療で来られている40代のSさん。
数年前に体外受精の治療を始められ、現在は過去の採卵成績やAMHの値を考慮して「低刺激法」による採卵に臨まれています。
昨年11月末のこと。
d2から5日間お薬を服用し、卵胞が十分な大きさに育っていざ採卵という時に、運悪くご主人が40℃超の高熱を出され、やむを得なく採卵が中止に。
その後もご主人の熱がなかなか思うように引かず、Sさんも大変心配そうなご様子でした。
そして1周期空けて今年1月の採卵。
お薬を使わない自然周期で順調に卵胞が育ち、無事16日目に採卵。
そしていざ受精させる段になって、今度は精液中に精子が見当たらない、つまり無精子であることが判明したのです。
これにはご夫婦共々ショックを隠し切れず、不妊治療へのモチベーションもかなり低下したように見受けられました。
私の方からSさんには、
「無精子は先の長期にわたる高熱が原因と考えられます。精子は74日間かけて作られますので、約3か月で戻るはずです。Sさんは最短で精子が戻ることを想定して最善の準備をしましょう。」
というようなお声掛けをさせていただいたように記憶しています。
その後、ご主人は月1回の男性外来で
・2月 無精子
・3月 ナーバスになり通院無
・4月 精子確認!
となり、晴れて採卵に向けての治療を再開することができました。
そしてつい先日、無事採卵できたとのご報告をいただきました。
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急な出張やご病気などにより、採卵当日に精液を採取できないケースがあります。
特に自然周期で採卵しているケースでは、どうしても日程が計りにくいのでそのようなアクシデントが起こりやすいです。
低AMHの方や卵子が採れにくい方は、たとえ1周期であっても卵子は無駄にしたくないもの。
このようなことを考えると、「病院に凍結精子をストックしておく」ことはリスク回避につながります。
凍結精子に関しては各病院によって考え方が異なると思いますので、ドクターと相談の上検討してみてください。
※男性不妊はこちらの本に詳しいです。〈『男性不妊症』 石川智基 幻冬舎新書〉