人工授精(AIH)の意義とは?|枚方市樟葉 はやし鍼灸整骨院

病院で不妊治療をする場合、タイミング法の次の段階の治療と位置付けられているのが人工授精(AIH)です。


人工授精とは、男性の精液を採取して、病院で洗浄・濃縮してから女性の子宮の中に直接注入する方法です。

精子の受精能力は射精後3日程度ですが、洗浄することによりその期間は短くなりますので(6時間としている資料もあります)、タイミング法以上に排卵日を正確に特定し、実施しなければなりません。
(タイミング法では、神経質になってドンピシャリに合わせる必要はありません)


「人工」という名が付いており、しかも「体外受精」と言葉が似ているため、タイミング法から随分とステップアップした印象を受けますが、実際は妊娠のプロセスは自然妊娠(タイミング法)と変わりません。


治療のレベルで言うと、

【体外受精>>>>>>>>>>人工授精≧タイミング法】 

というイメージでしょうか。


【人工授精≧タイミング法】としているのは、特定の条件下以外ではタイミング法と比べても人工授精にさほど優位性が認められないからです。


その特定の条件下とは、

①ヒューナーテスト不良例(頚管粘液分泌不足を含む)
②精子に問題がある場合(数・運動率の低下) です。


裏を返せば、精液検査で特に問題がみられず、なおかつヒューナーテスト良好の場合は、あまり意義のある治療法ではありません。

つまり、人工授精は、上記の理由で精子の通過障害がみられる場合に、それをアシストするための治療法であると言えます。


上記の条件に当てはまらず、相当数(10回以上)人工授精にチャレンジされている新患さんが年に数名いらっしゃるのですが、そのような治療は大切な時間を浪費するばかりで、効果的な治療とは言い難いものです。

病院で当たり前のように行われているステップアップですが、ゴチャゴチャに絡んでしまった糸をひとつひとつ丁寧にほどいていくように、検査や治療に関しても、その意図や効果を理解したうえで受療したいものです。